事業承継が必要な企業数は、本当はどれだけあるのか?

政府発表の数字として、127万社が独り歩きしている。

 

が、この数字は正しいのか?

 

結論から言うと、おそらく不正確だ。

 

政府の発表を正確に読めば、わかるはず。

だが、マスコミの報道が、

政府が発表した事実を歪めてしまっているようなので、ここで説明しよう。

 

まず、政府の発表数字というのは、

2017 年10 月12 日 未来投資会議構造改革徹底推進会合

(第1 回、平成29 年10 月12 日) 資料

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/suishinkaig

o2018/chusho/dai1/siryou1.pdf

のP6のことだ。

 

これは、政府の公開文書なので、上記にアクセスすれば誰でも確認できる。

 

そして、この表の注意書きにあるのは、下記の仮定だ。

 

1.「2025 年までに経営者が70 歳を越える法人(93万人)の31%、

個人事業者の65%が廃業すると仮定。」

(=これに基づいて政府は127万社と計算)

 

2.「雇用者は2009 年から2014 年までの間に廃業した

中小企業で雇用されていた従業員数の平均値(5.13 人)、

付加価値は2011 年度における法人・個人事業主1 者あたりの

付加価値をそれぞれ使用(法人:6,065 万円、個人:526 万円)」

 

つまり、こういうことだ。

1.数字は、2025年までの期間限定の数字でしかない。

2.また、過去5年間の数字に基づき、未来10年を予測した数字でしかない。

 

が、2026年1月1日に事業承継がぴたっと止まるのか?

それ以降は、一切なくなるのか?

 

・・・そんなことはない。常識で考えればわかるだろう。

 

これは基本的に、日本の人口が減る限り、

50年100年と続く問題なのだ。

 

 

また、過去の数字は未来を正確に表すのか?

 

・・・そんなことはない。これも常識で考えればわかるだろう。

 

これでは、株のチャートで、過去のチャートから未来を読むようなものだ。

その精度はとても低く、信頼に足るものとは言えない。

 

 

要するに、政府の発表数字にはきちんと注記があるが、

マスコミが注記を無視して数字だけピックアップして報道し、

その結果、一般の認識が曲がってしまっているのだ。

 

 

間違いなく、127万社以上の企業が、承継を必要とするだろう。

 

 

私は、何でも自ら調べて、再検証する。

 

当機構が、日本を左右するような課題に真剣に取り組む上で、

重要な事業計画の前提に、誤った情報を使うわけにはいかないからだ。

(明らかに誤った過去の情報を前提に、経営する経営者は失格だろう?)

 

だから、当機構は事業計画を策定する上で、

独自の調査に基づいたより信頼できる数字を前提としている。

 

 

政府にも上記の指摘は既にした。

正しい数字の出し方も伝えた。

ある高官からは、理解も得た。

「役所仕事には予算も限界もある」のは理解しているが、

これは日本の未来を左右する大問題だ。

 

手間はかかるだろうが、何兆円という予算がいる仕事ではない。

 

 

政府が日本の為に正しい情報を再調査して更新してくれることを、

そしてマスコミ各社がきちんとそれを読み、自ら再検証した上で、

正確に報道してくれることを、

子や孫の未来のために、心から願っている。