台風と停電 これは天災か?それとも人災か?

先週の台風で、日本に大きな傷が残った。

 

特に被害が大きかった千葉県の一部では、まだ停電が続いている。

一日も早い復旧を祈るばかりだ。

 

ただ、この事故の背景にも、当機構がアンチテーゼとしている

「短期強欲資本主義」の影響があることは、理解されているのだろうか?

 

一部の方にお話ししたら「わかりやすい!」とのことだったので、

今回はこれについて書いておきたいと思う。

 

いつも言うことだが、カンタンに言うと、

資本主義とは、「早く、ラクに稼ぐ主義」だ。

 

逆に言うと、

「時間がかかることや、利益にならないことは、たとえ重要でも、後回しにされる」

早くラクに利益にならないことは、後回しされる仕組みなのだ。

 

そして、アクティビストが大手を振るうようになってしまった株式市場に

上場している大企業の経営者は、特にその重圧を日々受けて経営している。

「5年後より今年の利益を出せ。

いや、来月より今日の利益を出せ。

(そしてオレによこせ。あとのこと?そんなの知らん)」

という短期で強欲な投資家に、日々追い回されているのだ。

 

東京電力も上場企業であり、短期利益を上げる大きなプレッシャーを受けている。

かつ、原発事故以降、業績が大幅に悪化したので、

多くのコンサルタントの指導のもと、余剰を徹底的に削り、

なんとか業績回復をしようとしている。

 

ただ、その過程で削られた余剰の中には、

今回のような「10年に1度の災害から迅速に復旧するための人員や設備」

も、含まれていた。

重要ではあるが、「早く、ラクに」稼ぐには、重荷だったからだろう。

 

そして、今回、天災が起こった。

 

が、もう既に、迅速な復旧のための人員は解雇され(あるいは別部署に転籍し)、

設備も売り払われて残っていなかった。

 

そのバックアップを委託した外部企業も、これらを十分に持っていなかった。

(東電程の大企業が持ちきれないものを、外部の企業が十分に持てるわけがない)

 

結果、人が不足し、設備が不足し、停電は今も続いている。

 

これは、天災なのか?それとも人災なのか?

 

そう。天災ではあるが、人災でもあるのだ。

 

もっと言うと、短期強欲資本主義に基づいて行動したら、

こうなるのは当たり前の結果なのだ。

 

包丁でも、ただ削り続けたら、いつかペティナイフになってしまう。

日本刀だって、ただ削り続けたら、カッターのようにぺらぺらになってしまう。

ダイエットだって、やりすぎたら病気になるだろう?

 

ある程度の重さや余裕は、必要なのだ。

 

特に、社会的なインフラを担う電力やガス、水道、鉄道等は、

この余裕を持っているべき企業だ。

(この点からは、本来ならば上場していない方がよい企業なのだ)

 

ところが、短期強欲資本主義に基づき、

企業は、どんどんこの余裕を削っている。

短期投資家の圧力で、削らされていると言った方が正しいかもしれない。

 

リーン生産方式という、

余剰や在庫をどんどん削減していく方式が称賛されるようになって久しいが、

効率化も、行き過ぎると害になる。

(leanという言葉は「傾く」という意味でもあるのだ)

 

災害の多い日本では特にだが、

長期的に事業をするには、一定の余裕や在庫は必要なのだ。

その余裕や在庫を限界まで削ったら、災害に弱くなるのは自然の摂理だ。

 

短期投資家はそれでいいのだ。

自分が持っている短期間だけよければよいから。あとは知らんぷりだ。

 

でも、企業は違うし、経営者も違う。

従業員も、取引先も、社会も違う。

長期的に事業を継続していく必要があるのだ。

 

そんな企業や経営者、従業員、取引先、社会を支えるには、

長期投資が必要なのだ。

 

というより、長期的に社会が繁栄していくには、長期投資しかないのだ。

短期投資家がどれだけ儲けても、

企業が必要なものを提供してくれない世の中にしてしまったら、

世の中は不便になり、いずれ人は生きていけなくなるのだから。。。

 

この社会の本来あるべき姿と、

資本主義の絶対権限者である株主が短期化しているところに

「ねじれ」が生じているから、

天災に人災が加わり、より大きな悲劇が起こるのだ。

 

今後100年で、天災は必ず増える。

温暖化が進めば台風の威力は増し、またルートも北上するので、

日本全土に、より大きな台風が、より多く来るようになるだろう。

 

そして、大地震も、津波も、私が生きている間に必ずまた起こると思っている。

(起きてほしくはないが、覚悟と準備はしているという意味で)

 

天災が増える時代に、リーン生産などをより一層妄信して更に進めていったら、

企業は壊滅的な被害を受けるだろう。

 

次の100年を生き残り、事業を継続していくには、一定の余剰は必要だ。

そのための余剰は備えを企業は持つべきだし、株主も認めるべきなのだ。

 

そんな長期繁栄を求める企業を支えるために、

当機構は中小企業に「永久投資での事業承継」を提供しているのだ。

 

 

金髪の大統領や多くのファンドが唱える

「自分ファースト!」「自分の利益が全て!」は、

長期的には亡国の理論なのだ。